No13. コンパレータを使った簡易温度計回路キット

温度センサIC とコンパレータICを使って、室温に応じてLEDを点灯させる回路です。

およそ0℃以上で左端の黄LEDが点灯します。

その後、約10℃になるとひとつ右隣の緑LEDが点灯、約20℃になるとその右の緑LEDが点灯、約30℃以上になると左端の赤LEDが点灯します。

温度センサICは、写真の左の方にある3本足の部品です。

このICはICの温度が上がると出力電圧が上がるもので、下の式のように変化します。

センサの電圧=10 × ICの温度 + 500  [mV]

 例えば、ICが20℃のとき(これは ICの周りが 20℃⇒室温が20℃ということです)

センサの電圧= 10 × 20℃ + 500 = 700 mV となって、

室温 20℃のときは、温度センサICから 700mVが出力されるということになります。

この温度センサICからの出力をもとに、今の室温を判断するためにコンパレータICを使います。

コンパレータICは、コンパレート(比較)することができるICで、比較するための基準電圧を決めておくと、入力された電圧と基準電圧を比較して、基準以上であれば出力がON、基準以下であれば出力がOFFになるようなものです。

キットで使うコンパレータICには4回路入っていて、温度センサからの電圧を4つの基準電圧で判別しています。

4つの基準電圧はそれぞれ、0℃の時の電圧、10℃のときの電圧、20℃のときの電圧、30℃のときの電圧、になるように、電源電圧(電池の電圧)を抵抗分割することで設定しています。

コンパレータの基準電圧以上になるとコンパレータの出力がONしますが、ONするということは出力に電流が流れるということで、今回はLEDをつなげることで ONのときにLEDに電流が流れてLEDが点灯するようにしました(上の図を参照してください)。

注意ですが、基準電圧は電池の電圧をもとにしているので、電池の電圧が下がると基準電圧も下がり、判別する温度も変わってきます。

新品の電池と使い古しの電池とでは、10℃近く変化してきますので、LEDが光る温度はあくまでも目安としてください。

今回のキットはコンパレータの働きを知ることをメインと考えています。

マイコンを使った回路でも、マイコン内部ではこのコンパレータのように入力電圧を比較して動作を決めています。

これから電子回路の理解をしていく上でも参考になると思います。

ハンダ付けは、ちょっと多いですね。でも落ち着いて作業すれば問題ないです。

写真では、リード線に沿って全部ハンダを載せていますが、部品と部品はつながっていれば良いので、リード線の途中のハンダ付けはしなくてもOKです。

キットには説明書として以下の実装図もつけています。

では、電子工作を楽しみましょう!


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