No17 リレーを使った早押し回路

リレーは本来小さな電気信号で大きな電流を流すものを制御するのに使用します。

例えば、マイコンで100Vの電灯を制御する回路にリレーを使う場合、

①マイコンの出力ポートでトランジスタをオンさせる

(※リレーの制御にはマイコンからのポートの電流だけでは不足するためトランジスタを使います)

②トランジスタのコレクタ側につないだリレーの制御端子に電流が流れてリレーの接点が切り替わる

③リレーの接点が切り替わると100Vにつないだ電灯に電流が流れて電灯が点灯する

といった感じでリレーを使います。


・・・ですが、このキットではリレーの動作を体験することを目的として、大きな電流を必要とするものは使わずに、ユニバーサル基板上で動作する回路としました。

キットの動作としては、タクトスイッチを押した時にリレーをオンさせ、リレーの端子側に接続したLEDが点灯する、というものです。


リレーの代表的な回路として「自己保持回路」というものがあります。

制御端子に、はじめ電流を流してリレーがオンし接点が切り替わると、制御端子に電流が流れるループができ、リレーのオン状態をリレー自身で保持するというものです。


この自己保持回路を利用し、リレー3個を使って、2個のスイッチによる早押し回路にしました。

2個のスイッチのうち、どちらか早く押されたスイッチ側のリレーが保持され、スイッチと連動したLEDが点灯し続けるというものです。


基板は、リレー基板、スイッチ1基板、スイッチ2基板、の3つ構成になっています。

基板どうしは赤と黒の並行ビニール線を使いました。基板間を並行線でつなぎます。


リレー基板の部品面です。

リレー基板のハンダ付け面です。

スイッチ基板の部品面側です。

スイッチ基板のハンダ付け面側です。

使う部品は多くありませんが、リレー基板のハンダ付けが少し多いです。

でも、3つのリレーの接続の工夫で自己保持回路を利用した早押し回路ができるということが実感できます。


スイッチ1を押すとLED1が光る→リレー1がオンして接点が切り替わる→スイッチ1を離してもリレーは保持しLED1が点灯したまま→スイッチ2を押しても受け付けず状態を保持→リセットスイッチ1を押しと最初の状態に戻る


という動作を回路図を見ながら考えるとパズルのようです。


説明書には組み立て図も載せています。


電子工作では、なかなかリレーを使う機会は無いと思いますので、このキットでリレーについて簡単に経験しておくのも良いと思います。



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電子工作キットを開発しています。 定番の回路を使ったもので初心者の方でも取り組みやすくしています。 ユニバーサル基板に部品を配置して、ハンダ付けをしていくもので、 プリント基板での電子工作キットに比べて少し難しいですが、 ハンダ付けのトレーニングにもなり、専門学校や大学で実験回路を作ったり、 回路設計関係の仕事にも役立ちます。 ここで紹介したキットは、ショッピングサイトで販売しています。

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